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中古住宅を売りたいときに気になる査定額を決める不動産会社は何をチェックしているか

売却にあたって気になる査定

不動産を売却したいと考えた場合、まずはいくらで売れるのか知りたいところです。
その際、不動産会社に査定を依頼することになりますが、どのような点をチェックして査定額を出しているのでしょうか。
不動産会社による査定の方法について見ていきましょう。

査定の基本

不動産会社においては、直近の公示価格や路線価をはじめ、近隣の取引事例を踏まえながら、その不動産の個別の特徴を精査して算出されます。
個別の事情としては戸建ての場合の前面の道路との接道状況や土地の形状、方位や周辺環境などをはじめ、都市計画法上の制限など幅広く調査が行われるのが一般的です。
戸建て、マンションを問わず、室内の状態や設備の状態などを実際に現地にて調査したうえで、役所での建築制限などの調査や法務局での権利関係の調査なども行われています。
これに加えて、近年の周辺の成約事例や現在の売出事例をもとに売却予想価格を算出します。
そのうえで経済情勢や住宅市場動向などマクロ経済の要素と、物件があるエリアにおける平均的な家族構成や平均価格帯、競合物件の有無などを踏まえたミクロ経済的要素であるエリア特性なども考慮して、最終的な査定価格が出されるのです。

総合的な調査と評価を行う

査定にはエリアや建物の間取りや築年数、広さなどの形式的な情報だけから目安としての査定額を出す簡易査定と実際に不動産を確認して出す実査定があります。現地での調査をするにあたっては、戸建ての場合、建物だけでなく、接道状況や道路種類の確認、上下水道の確認、境界や越境の有無も調査するのが基本です。戸建ての場合にはその建物や敷地だけにとどまらず、近隣の空き地の有無や隣接建物の状況、近隣での建築予定に至るまで細かく調査が行われます。

道路からの自動車音や保育園や学校が近いなどによる子どもたちの声、犬が吠える声など騒音が気にならないか、工場などからの煙や近隣の飲食店からのニオイなど気になる臭気がないか、風俗店や暴力団関係の事務所、ゴミ屋敷など周辺に嫌悪施設がないかも、細かくチェックされてることが少なくありません。建物や敷地においては日照条件や窓やベランダからの眺望や景観を確認するほか、収納スペースの広さや住宅設備のグレードなどがチェックされます。また、これまでのリフォーム履歴もポイントになります。

現在の状態にもよりますが、適切なタイミングでリフォームを施して大切にメンテナンスされてきた住宅はポイントが高いです。マンションの場合には戸建て住宅と同様、間取りや室内の状態や収納スペース、設備などのグレードを確認するほか、マンション全体の要素としてエントランスやゴミ捨て場、駐輪場や駐車場など共用エリアの確認にも及びます。共同住宅においては、個別の住戸の事情だけでなく、生活していくうえで共用エリアの状態も深く関わってくるからです。
エントランスからの出入りなどをチェックし、どのような住人が住んでいるのか、ファミリー世帯が多いとか、親しみやすいシニアが多いなど、住民の雰囲気までチェックされます。

さらに管理員の有無や勤務状況、掃除が行き届いているかなども見られています。そのうえで管理規約の確認をし、ペットの飼育の可否やリフォームの承認に関する条項など新しく住むにあたって問題となる条項などがないかも確認されるため、管理規約の提出を求められることも少なくありません。マンションの維持管理も重要な要素なため、長期修繕計画の内容や次の修繕時期の確認、管理費や修繕積立金の額と滞納がないかもチェックされます。

この点、滞納があると、買い手が払わなくてはならない場合もあるので、この点は要確認事項です。役所調査においては戸建てや土地の場合には、用途地域の確認や建築・法令上の制限の調査、法務局においては登記簿記載事項の確認とともに、構図や測量図、建物図面などを調べていきます。

個別の事情と地域の不動産動向を踏まえた評価

売りたい不動産そのものの調査はもちろんですが、法律上の制限や地域特性、権利関係などをしっかりと調査しておくことで、買主が安心して買えるようになり、思わぬトラブルを回避することが可能となります。査定価格算出に用いるデータは不動産会社の売買実績などに基づき、独自に収集・蓄積したデータや国土交通大臣指定流通機構のレインズなど、客観性のあるデータを使うのが基本です。
不動産が所在する地域の情報分析も不可欠であり、近隣の類似売出物件の件数や新築物件の供給予定があるか、現在の住宅の販売状況なども踏まえて市場分析をしています。そのため、品質としては問題なくても、近隣に競合が多い、需要がない地域などであると、売却可能な査定額が思ったより低くなることもあるのです。

まとめ

不動産会社による査定額は、不動産の個別事情だけでなく、不動産市場の需給動向や地域で求められる不動産のニーズ、近隣の不動産取引データなどさまざまな事情を総合的に勘案して決まります。
現物の査定の際に見ているポイントは建物の状況だけでなく、周辺環境など幅広く見られる点です。

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