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深刻化する空家問題の理由とリスクその解決法について

空家の増加が社会問題に

日本では少子高齢化などの影響から、住宅の供給量が需要を上回っており、誰も住まない空家の数が増加し続けています。
平成25年の調査では全国で820万戸にのぼり、住宅戸数の13.5%にものぼっているのが実情です。なぜ、ここまで空家が増大しているかの原因を明らかにするとともに、なぜ空家だと問題視されてしまうのかの理由を探っていきます。同時に空家を保有するリスクやそのリスクを避けるための解決法についてもご紹介します。

空家が増える原因とは

空家が増える一番の原因は少子高齢化です。高齢化により、住んでいる方が亡くなると誰も住む人がいなくなってしまううえ、受け継ぐ子どもの数が減っており、空家になってしまうのです。少子化でひとりっ子の核家族も増えていますが、ひとりっ子同士で結婚すれば、仮にいずれかの実家を受け継いで住むことにしても、もう一方の実家は空家になってしまいます。2つ目の原因は日本人特有のマイホーム志向です。

かつては家長となる長男が実家を受け継ぎ、女性は嫁ぎ先でその家族と暮らし、その住宅をご主人が受け継いでいくなど、引き継ぐ文化がありました。ですが、戦後のマイホーム推進政策や高度成長期を経て、誰もが自分の城を持つことにも憧れるようになりました。その傾向が今も根付いており、ひとりっ子であっても親が建てた家ではなく、自分のマイホームが欲しい、兄弟姉妹もそれぞれ独立してマイホームを構えるという状況が一般化しています。

3つ目の原因は晩婚化や独身者の増加、子どもを持たないカップルなど人生の選択の多様化です。
子どもがいない単身者や夫婦も増え、マイホームや受け継いだ実家も、その人たちが亡くなれば空家となり、受け継ぐ人がいない状況になるのです。4つ目は都会志向と地方の過疎化です。進学や就職にあたり、実家のある地方を出て都会で暮らす方、都会でマイホームを持つ方が増え、故郷には戻らない人が増えています。その結果、両親が亡くなった実家が誰も住む人がない空家になってしまうのです。

空家が問題となる理由とは

空家として管理が行き届いていれば、まだ問題ないですが、その多く管理もされないまま放置されることで社会問題となっています。時間や手間、コストがかかるからという理由のほか、遠方に住んでいることから管理がしにくいというのも放置される理由です。
すでに30年、50年と経過している住宅も多く、老朽化が進んだ住宅や門塀は倒壊リスクも高まり、特に地震などの災害時に倒壊して地域住民がケガをしたり、死亡するリスクが生じます。倒壊すれば逃げ道も塞ぐので、逃げられない住民による二次被害のおそれも高まります。空家に放火されて近隣住宅が類焼したり、大麻栽培など犯罪者のアジトに使われる、浮浪者や不良グループが集まる、庭に不法投棄がなされてゴミ屋敷化するなど、地域の防犯、防災、環境の観点から問題視されやすくなるのです。

空家を抱えるリスクとは

空家をそのまま放置していても、相続した人が所有者として、毎年の固定資産税や都市計画税などを負担しなくてはなりません。税金負担のリスクをはじめ、家屋倒壊の危険性や防犯、防災の観点から、近隣住民からクレームを受けるリスクもあります。地域住民への対応を迫られるほか、状態や地域の条例によっては行政から勧告を受けたり、解体などを迫られるリスクも高まります。

リスクが顕在化して、万が一、家屋倒壊による被害が発生すれば、その賠償をしなくてはならない可能性も出てくるのです。

空家問題を解決するには

適切なメンテナンスを施し、除草をするなど定期的に適切な管理をし続けることができれば、クレームのリスクは避けられます。ですが、そのままでは固定資産税などの税金負担と管理コストがかかるだけで、何も利益が得られず、赤字になることも懸念されます。経済的な負担を解決するには、使ってくれる人に貸す、売るのが一番の方法です。

空家を減らして、社会資源を有効活用できるのもメリットです。また、老朽化が進んでいる場合には解体することで倒壊リスクを減らし、災害時の大きな被害を予防できます。自己の費用で解体して整地をしてから、自治体や地域などに寄贈すれば、地域の実情に応じて有効活用してもらうことも期待できます。空家を保有することによるリスクから解放され、税金や管理費用などのランニングコストからも解放されるのがメリットです。

まとめ

少子高齢化や都会志向、マイホーム志向などが原因となり、日本では空家が増え続けています。空家が放置されたり、管理が行き届かず、防災や防犯の観点から問題となることや地域の景観を損なうことも少なくありません。近隣住民からクレームを受けたり、行政から勧告などを受けたり、家屋倒壊による被害やその賠償リスクを避けるためにも空家問題の解決が必要です。売却や賃貸、解体など地域の実情や空家の状態に合わせて検討しましょう。

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