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連棟式建物や長屋の住宅を売却したり現金化する手段はある?

連棟式建物や長屋の問題点

連棟式建物や長屋は他人どうしの別々の所有者が所有する建物や住戸が屋根や柱、壁などを共有しながら連棟している構造であるため、単独での建て替えや構造を変えるような大規模リフォームが難しくなっています。老朽化したから立て建て替えたい、耐震性が不安だから耐震工事をしたい、狭くなったから増築したいなどと考えても、つながっているほかの住戸の住人が同意してくれない限り、進行できません。

工事費用や建て替え費用が発生するため、気持ちや考え方の問題だけでは解決ができないのが問題です。経済的な負担から同意が得られないこと、高齢者世帯の住人の場合、もう長くは住まないのだからと同意してもらえない可能性が高くなります。

そこで、建て替えや改築、大規模リフォームなどを断念し、住み替えをするために売りたいと考えても、特殊な建物構造から、買い手がなかなかつかないのが実情です。祖父母や両親と長屋に暮らしてきて、相続が発生し、自分たち世代が暮らすようになったら、長屋から出て、一般的な個別のマイホームに住み替えたいと考える人は少なくありません。そんなとき、どのようにすればスムーズな売却が実現するのでしょうか。

売却したいならお隣から交渉を

売却したいと思った場合、一般的な方法は不動産会社に依頼して買い手を見つけてもらう方法です。ですが、今の時代には一般的ではない構造のため、買い手がすぐに見つからないおそれがあります。灯台下暗しではありませんが、買い手としての一番の候補となるのが、同じ連棟式建物や長屋の所有者です。

全体の建て替えや隣の住人のリフォームニーズには無関心でも、部屋は広くしたいと考えているかもしれません。また、本当は他人とぴったりくっつき合うのではなく、自分だけのマイホームに暮らしたいと考えている可能性もあります。

そんな潜在ニーズを引き出すことができれば、お隣の人に売却して、自分たちは住み替えることが可能となります。買い取ったお隣さんは、これまでより広く使えるようになる場合やほかの住人がいなければ、自分たちだけで建て替えやリフォームなどを決められるようになるメリットがあります。

子どもの成長や独立・相続などのタイミングを逃さない

お隣への売却の交渉をスムーズに成功させるタイミングというのがあります。日頃は経済的な理由から乗り気でないお隣さんも、家族構成の変化やライフスタイルが変わった際に突如として、買いたいニーズが生じることがあるからです。

たとえば、子どもや孫が生まれて、部屋が手狭になったとき、嫁いだ娘さんや息子さんが離婚して出戻ったときや子連れで戻ってきて部屋数が足りなくなったときなどはチャンスです。お子様が成長して子ども部屋を増やしたい、結婚して新婚カップルも同居することになり、二世帯住宅にしたいと考えているときにもチャンスが生まれます。

また、相続が発生したときも交渉のタイミングです。古い考え方の親世代では交渉しても聞く耳も持ってくれなくても、若い世代が相続して代替わりすると考え方が異なり、すぐに出も買い取りたいと言ってくれる場合も少なくありません。

同時売却の可能性を探る

もっとも、お隣に家族構成の変化や相続などが生じるときは、お隣さんにとっても売却して住み替えたいタイミングでもあります。自分たちが住み替えを希望して新築マンションなどを候補に挙げているときに、お隣さんから売却が決まったと宣告される場合や買い取ってくれないかと逆に交渉を受けるケースもあるかもしれません。

先に売られてしまうと先手必勝になって、売るのが不利になることもあります。一方で、同時期に売りたいと考え、まだ売っていないなら、お互いに協同して売りに出したり、不動産会社に買取してもらうという選択肢も増えます。個別に売るにはお隣との構造が気になって買い手がつかなくても、建物ごとまとめて売り出せれば、一般個人だけでなく、長屋として貸したい不動産投資家や不動産事業での活用機会もある不動産会社が買い取ってくれる可能性も高まるのです。

借家にしているならオーナーチェンジもおすすめ

ご自身で住んでいるのではなく、長屋として一住戸だけ貸しているなら、住戸として売るより売りやすい場合が多いです。というのは、不動産投資を考えている方に売ればよいからです。オーナーチェンジするだけなので、長屋の借主には影響もありません。長屋は安めに買えるので、個人投資家にも人気があります。

まとめ

連棟式建物や長屋は別々の所有者が所有する建物や住戸が連なっており、単独での建て替えや構造を変えるような大規模リフォームが難しいうえ、特殊な構造から売却を望んでも、買い手がなかなかつかない傾向にあります。

売却をしたい場合にはまずは同じ建物の住人から交渉を開始するのが近道で、特に子どもの誕生や独立、相続などのタイミングを見逃さないようにしましょう。また、貸家なら不動産投資をしたい人に売却して、オーナーチェンジをする方法も考えられます。

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