新しい家を選ぶ時に役立つ便利帳
マイホームを手に入れようと考えるのはどんなタイミングでしょうか。
結婚した時や子どもが生まれたとき、人生の何かしらの区切りにそういういった決断をするものです。「憧れのマイホーム」をイメージしていても、実際に行動を起こすとなると全体でいくらかかるのかどれぐらい手間が必要なのか、どんな手続きが必要なのかなどわからない事だらけです。
そんな人たちのために一番大切な「お金」のことから、家を買うまでのスケジュールや物件選び、入居までに必要な手続き、法律や税金の問題など知っておくべきポイントについていくつかご紹介したいと思います。
マイホームに必要な準備
住まいの条件
家を建てるエリアと聞いて真っ先に思い浮かべるのはリクルートが毎年発表している「住みたい街ランキング」などでしょう。駅周辺の飲食店やアクセスの利便性などさまざまな面で魅力があります。車での移動がメインである地方は別ですが、東京や大阪などの都市圏では鉄道が欠かせません。
また、家族構成やライフスタイルによっても理想の物件タイプは変わってきます。新築もあれば中古の物件を購入し、リフォームすることも可能です。住まい選びでは【絶対に譲れない条件】を考えましょう。
物件タイプの選択肢
理想のマイホームを手に入れるうえで、戸建てなのかマンションなのかという選択は重要です。
マンション
メリット | デメリット |
駅から近い物件が多くセキュウリティが充実している | 管理費や駐車場料金が必要であったり両隣や上下の音が気になったりする |
戸建て
メリット | デメリット |
部屋数が多いケースが多く注文住宅なら家族構成に合わせて自由につくる事ができる | メンテナンスは全般的に自分で行うことが多く二階建ては歳をとると大変になる |
また、新築物件と中古物件の比較もしておきたいところです。
新築物件
メリット | デメリット |
最新の設備が利用でき事業者によるアフターサービスや保証が充実している | 購入にかかる代金だけなら中古よりも高くなり売主が個人の場合は保証に不安があることも |
中古物件
メリット | デメリット |
購入予定の物件を実際にみることができリフォーム等をすれば比較的安く購入できる | 設計上、デザインが古い物になる場合が多く住んでみないとわからないような劣化がある |
理想の家のためのライフプラン
住まいの基本のお金
大体の予算の見通しを立て物件を探してみてはいても、実際にはどれぐらいの費用が必要なのか、その準備はどうすればいいのかなどわからない点が多々あります。おおよその購入物件の価格の決め方は以下のとおりす。
住宅ローン活用のために十分な貯蓄を行うことは大前提ですが、貯蓄以外で頭金をふやす為にはどんな方法があるのでしょうか。もっとも一般的なのは両親からの援助ですが、援助といっても複数の方法が考えられます。
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- 親から資金を借り受ける
無利子で借りればローンを組むよりお得です。ただし借用書などを用意して贈与ではない事だと証明できるように
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- 贈与を受ける
贈与税に非課税枠が設けられているのでその枠内であれば税金なしで資金援助を受けられます
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- 家の名義を親と共有する
贈与税などの心配はありませんが、将来的に相続が発生するため兄弟がいる場合取り分で揉めることも考えられます。
住宅費用を抑える
新築にこだわっている場合、戸建てなら設備のグレードを下げることで費用を抑えられます。また、食洗器などの設備を減らしたりマンションなら安い立地の物件を探すのもひとつの手段です。
低価格化のためのポイント
- 「シンプルな間取り」の物件を探す
- 「内装」などを凝りすぎない
- 「気密性・断熱性」の高い住宅を選ぶ
- 「オプション」はできる限り減らす
- 工事前からしっかり「確認」
- 「工事」をできる範囲で一緒に手伝う
また、昨今のリフォーム技術の進歩により新築同様に長く住める物件も増えてきています。新築にこだわっている人でも一度は中古物件をチェックしてみるな、どさまざまなパターンを検討してみてはいかがでしょうか。
住宅資金の優遇制度
よりお得にすすめていくためには、複数の公的制度がありますがそれらの制度を簡単にご紹介します。
- 住宅ローン控除
一定の条件を満たすことで所得税の控除や還付が受けられる - すまい給付金制度
所得税が少ない人に対して住宅ローン控除の恩恵を補填する - 長期優良住宅普及促進のための特例
一定の条件を満たし長期優良住宅と認められた物件に与え られる税率引き下げの特例 - 住宅取得資金贈与の特例
両親からであっても贈与税は課せられるが住宅資金に限り非課税枠が 拡大可能 - 既存住宅のリフォームに係る特例措置
一定の条件に合うリフォームの費用が減額される - 固定資産税・都市計画税の特例
一定の条件を満たせば両方の税金が減額される
さらに地方自治体によっても住宅支援制度があるので最新の制度についても調べてみましょう。
みんなでいい家を目指す
信頼できる会社の選びかた
大手不動産会社
メリット | デメリット |
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小規模不動産
メリット | デメリット |
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悪徳業者を見分ける方法
一番危険なのは【相場より極端に安く好条件の物件】の広告をだしている会社です。これは多くが【おとり広告】と呼ばれています。実際に販売などの予定はない為法律で禁止されています。
また、不安を感じたときに役立つのが省庁や地方自治体に残されている処分の経歴を確認することができます。都道府県知事の免許を受けている会社であれば都道府県庁でそれぞれ確認ができます。出向かなければいけないため少々手間はかかりますが、確実に情報を得ることができます。
納得のいく物件選びのポイント
物件選びの基本
土地や物件を選ぶ際もっとも気になるのが周辺環境です。前述した「住みたい街ランキング」などを活用するのも一つの手段です。
『周辺環境選びのチェックポイント』
- 子育て世代の場合は幼稚園・保育所などをチェック
- 下見の際には町の掲示板や電柱などをチェックし痴漢などの注意喚起が多い場所は避ける
- 隣家とのトラブル要因はあらかじめ解消しておく
- 「景観地区」にあたる場合外見などに一定の制限がかけられているので要注意
『間取りのチェックポイント』
- 採光や風通しを考える
- 車を所有している場合は車庫などの確認をする
- 人が自然に動く時に通る「動線」の効率をスムーズにする
『防犯のチェックポイント』
- 泥棒に「入りにくい」と思わせるようにする
- 土地選びの段階から防犯を意識する
- ドアや窓の防犯対策は特に力をいれる
上手な住宅ローンの利用法
住宅ローンの基本と基礎知識
住宅ローンには大きく分けて三つのタイプがあります。とくに変動金利型のものが人気です。なぜなら経済環境に合わせて定期的に金利が見直しされるためです。ただし、有利なのは低金利のうちで金利が上昇すると返済がきびしくなる場合もあります。
- 民間ローン
銀行が主に提供している住宅ローンで利用者が最も多い - 準公的ローン
住宅金融支援機構という公的機関と民間の金融機関が提供している「フラット35」などの全期間固定金利型のことをいう - 公的ローン
現在の公的ローンは「財形住宅融資」のみ。一年以上継続し50万以上の残高がある人が利用できる
住宅ローンの返済が難しくなったら・・・
生活の変化によって返済プランが狂うこともあります。たとえば、購入時は夫婦共働きだったのが子どもが増え4人家族になる可能性もあります。教育費が想像以上に増え、切りつめても追いつかない・・・という場合もあるかもしれません。また、会社の倒産や予期せぬ大病を患うなど自分ではどうしようもできない事が起きるかもしれません。住宅ローンの返済が困難になったら一体どうすればいいのでしょうか。
- 返済中の金融機関もしくは住宅金融支援機構に相談
- 返済中の金融機関に返済方法変更の申請を行う
- 適用可能か審査され結果が通知される
- 適用が可能な場合 、返済方法変更の契約を締結する
住宅金融支援機構では返済方法のプランを3つ用意しています。
- 返済期間の延長
- 一定期間の返済減額
- ボーナス返済額の変更・停止
返済が難しいと思ったらすぐに相談することが大切です。
引き渡しから入居するまでに
購入物件の最終確認
内覧会では買主が売主や施工会社の担当者と一緒に内部をチェックします。いわば買主が自分の目で行う最終チェックなのですが、新築物件だからと気分が高揚してしまい問題があっても気づかずに、ただの見学で終わる場合がほとんどです。そこで、専門家による新築物件を見極めてもらうため同行してもらうサービスも広まっています。
専門家に同行してもらうメリット
- 専門家の厳しい目でチェックできる
ちょっとした汚れや建て付けの悪さ等工事が必要かなどを確認してもらうことができる - 再工事の交渉もスムーズ
経験豊富な営業担当のやり取りや揉め事が起こった場合専門家の意見は強い味方になる - 書類を詳しく確認してもらえる
専門用語が多く難解であるが専門家の目で不公正を確認してもらえば書類の作り直しを求める事も可能
入居前後の諸々の手続き
知っておくべき引っ越しの基礎知識がいくつもあります。引っ越しのピーク前に事前に色々と把握をしておくことをおすすめします。
引っ越しの際もっとも面倒だった手続きランキング
- ネット回線の手続き
- 住所変更(クレジットカード、銀行口座)
- 住所変更(運転免許証)
- 電気・水道・ガスなどの光熱費の手続き
- 転出・転入届け
- 近所へのあいさつ
- 福祉関係の手続き
- 住所変更(車などの登録変更)
- NHK・ケーブルテレビなどの契約変更
- その他
- 郵便物の転送手続き
- とくになし
諸手続きに加え引っ越し業者へ依頼しなければいけません。昨今は人手不足で作業員が足りずピークの時期だと対応しきれない業者も増え、料金が割高になり「足元をみられている」と思う方もいるかもしれませんが、業者も悲鳴を上げているのが現状です。
なるべく【混み合う土日祝日は避け】平日に引っ越しをすることで費用を抑えることも可能です。また【見積もりは複数の業者から取っておく】ことをおすすめします。”競争”させ料金を下げるのも有効な手段のひとつです。
無料で不用品を処分しよう!!
引っ越しを決めたあと困るのが不用品の処理です。大きなものは捨てるにも粗大ゴミとして手数料がかかってしまいます。しかし、支障なく使用できるものであれば専門の業者が買い取ってくれることも!
家具 | 箪笥やダイニングテーブルなどはそれなりの値段で売れる・無料引取り可能も多い |
家電 | 需要が高く売りやすいので捨ててしまう前に査定をしてもらい家まで引取ってもらう |
衣服 | リサイクルショップが増えているので処分しやすい |
住まいに関わるその他のこと
火災保険や地震保険
家の保険には大きく分けて「火災保険」「家財保険」「地震保険」がありそれぞれに補償される内容が異なります。保険会社によって内容と金額に違いがあるため、すすめられるがままに契約してしまことのないよう事前に調べて比較した上で決めましょう。
選びかたはコチラ↓↓
- 保険の対象を決める
- 建物の構造を確認
- 補償範囲を選ぶ
- 建物に対する保険金額を決定する
- 家財に対する補償額を決定する
- 保険期間を決める
- 地震保険にも加入するか決める
3つの保険の内火災保険には補償範囲の異なる「住宅火災保険」と「住宅総合保険」があり、後者の方が手厚い内容です。補償対象は「建物のみ」「家財のみ」「建物+家財」の3パターンから選べます。また、地震保険は単独加入不可で火災保険とセットでしか組めません。万全を期すなら「火災保険」+「地震保険」のセットで組むのがよいでしょう。
火災保険が必要な理由は??
・火災に遭う確率は低いが実際に起きてしまうと被害は莫大
・近隣の火災による延焼被害は賠償請求することができない
・自然災害に対しての公的支援は限定的
・火災保険の補償内容は、住まいで起こる可能性のある損害全般に及ぶ
登記と確定申告
登記の目的は、持ち主を明確化させることにあり自分の土地だと法的に証明することができます。逆に証明ができなければ住宅ローンを借りることもできません。
登記に必要な書類
- 住民票
全世帯の情報が全て載っている住民票謄本が必要。事前に新住所に変更しておくのがベスト - 印鑑証明書
市役所で発行、実印ではなく印鑑を登録した際の証明書 - 登記原因証明情報
登記の原因となった土地の売買などの証明となるもの。売買契約書など - 委任状
本人以外が登記をおこなう場合は基本的に司法書士へ依頼するため必要である
また、家を購入すると【確定申告】が必要になりますが、なぜ申告が必要になるのでしょうか。住宅ローン控除制度は、家を購入した際一定の条件を満たしている場合に【所得税が控除される】仕組みです。確定申告で過払いとして認められた分の返還を受けられるシステムなのです。
確定申告の流れ
- 住宅の完成後半年以内に入居する
- 必要な書類をそろえる
- 入居した翌年に確定申告をする
!!注意点!!
確定申告は家族単位ではなく個人単位で行う。住宅ローンを収入合算などで申し込んだ場合は両方とも確定申告が必要になる。
普段だと耳にしない用語が多く、不安になることがあるかもしれません。 今ご紹介した制度も一部に過ぎません。利用できる制度は利用し、頼るところへは然るべきところへ頼り家族みんなが納得のいくマイホーム購入になるよう、少しでもお役に立てれば幸いです。