不動産の買取と仲介のいずれがよいのか？不動産を納得して手放す方法は？

不動産を売りたい場合の不動産会社の活用法

不動産を手放したい場合に相談窓口となるのが、不動産会社です。多くの方が売りたいので買い手を探してほしい、売ってほしいと依頼されることでしょう。手放したいから、買い取ってくれという方はあまりいないかもしれません。ですが、不動産会社は売り手と買い手の間を取り持つ仲介のほか、自らが買い手となる買取をすることも可能です。両者の違いやいずれにメリットがあるのかをご紹介します。

不動産の仲介とは

不動産を売りたいときに買い手を探してもらい、売買契約を取り持ってもらう方法を仲介と言います。依頼時や売却に向けて宣伝や広告を出したり、買い手を見つけたり、交渉したりする段階ではまったく費用は発生しません。いわゆる、成功報酬制で、売買契約が成立すると、売却価格の一定割合を仲介手数料として受け取ることができます。仲介手数料は宅建業法でルールが定められており、上限は売却価格の3%+6万円となっています。

不動産の買取とは

これに対して買取は不動産会社が直接買い手となって、不動産所有者と売買契約を結ぶことを言います。買い手を探すために宣伝や広告をだす、買い手を探す手間や時間が省けます。仲介手数料も発生しないので、支払う必要もありません。不動産会社は資金力も旺盛なので、売買契約が成立すれば、代金も比較的早期に一括で振込をしてもらうことができます。

一般個人との売買契約では、ローンを利用したいニーズが高く、ローンの審査などで手間取り、なかなか引き渡しや代金の受取まで至らないのが実情です。現金化が早期にできるのがメリットです。もっとも、買い取った不動産は不動産会社が管理する必要が生じます。

早期に転売したり、賃貸などの投資用不動産として運用ができなければ、コストや管理の手間がかかるばかりです。そのため、どの不動産会社でも積極的に買取をしているわけではありません。転売実績が豊富で、運用ノウハウに自信がある不動産会社との出会いが求められます。

いずれが高く売れるのか

不動産の市場価格である時価を基準とした場合、より時価に近く、またはそれを上回る価格で売却ができるのは、仲介のほうです。なぜなら、仲介は売却価格に対する割合で仲介手数料を受け取れるので、より高く売れるほど不動産会社に入る仲介手数料が多くなるからです。一方、買取は不動産会社にとっては仕入れにあたります。

自らが欲しくて求め、使う用途があって購入する一般の買い手とは異なります。買い取った不動産は転売して、買取額との差額を不動産会社の利益にするか、もしくは、賃貸などに出して賃料収入を得て買取資金の回収をしていかなくてはなりません。そのため、時価の7割程度で買取をするケースが一般的です。

不動産会社が事業を継続するために収益を上げていくうえでは、仕入れはなるべく安く行って、高く売りたいところです。
そのため、仲介手数料が受け取れる仲介のケースとは異なり、買取額は安くなりがちです。万が一、売れないケースや売れ残って管理コストがかかることも考えれば、時価よりかなり抑えめになってしまうのです。

買取価格は下がりますが、その分、仲介手数料の支払いは不要となります。時価で売った場合に支払う仲介手数料額と買取額を比較して、いずれが有利でメリットが高いかを検討しましょう。なお、買取であっても、すぐに売れそうな不動産であれば、比較的高い値段で買い取ってくれることがあります。また、同じ不動産でも不動産会社が転売ノウハウに自信があれば、他の不動産会社に比べて高値で買い取ってくれるケースもあります。買取をしてもらう際には、複数の不動産会社から見積もりを取るのがおすすめです。

いずれがすぐに売れるのか

仲介手数料の控除などを考えず、売却価格のみを比較すれば、買取より仲介のほうが高値になります。もっとも、すぐに現金化ができるのは通常は買取のほうです。仲介で買い手を探してもらう場合、早期に見つかる場合もあれば、何ヶ月経っても現れないことも少なくありません。地域や不動産の種類、構造や規模、周辺の環境などによっても左右されます。

これに対して、買取は不動産会社がOKすれば、すぐに出も売買契約が成立します。なかなか買い手がつかないような物件でも、交渉によって買取が成立するのがメリットです。価格は抑えめになっても、いつまでも売れずに固定資産税などのコストを負担し続けるよりは、早期に現金化が実現できる買取が有利な場合もあります。

まとめ

不動産を手放したいときに頼りになるのが、不動産会社です。取られる手段としては、不動産会社に買い手を見つけてくれるよう売買契約の仲介を依頼するのが一般的です。これに対して、不動産会社に自ら買い手となってもらう方法を買取と言います。買取の場合、売却価格は安くなりますが、仲介手数料は発生しません。また、売却が早期実現するメリットがあります。